MES/みどり館アーカイヴ/森山未來 《S∧S∧S》①/オル太/風間サチコ/寺田倉庫の窓と光
MYAF 2024 ART EXHIBITION SSS 概要
SSS: Super Spectrum Specification
ART TICKET 有料エリア
MAP:寺田倉庫G1ビル
▶ ①「寺田倉庫G1ビル5F:MYAF SSSエキシビジョン」を体験する。
寺田倉庫G1ビルのエレベーターで5Fへ。
エレベーターの扉が開くと、MYAF2024『SSS: Super Spectrum Specification』の世界がはじまります。

受付を済ませて、さっそく「SSS: Super Spectrum Specification」を体験します!
▶ MES《ダイ/DA-I》
まずは受付のすぐ横で、圧倒的な存在感の「コレ」がお出迎え。

いきなり大きなスクリーンに写る「足の裏」に圧倒されます。人の背の3倍くらいあるでしょうか。
巨大な「足の裏」の門をくぐり抜けて近づくと、人が倒れてる?!

近づいてよく見ると、「本物の人」だと分かります。

見ているだけで、なんだか心配になる姿…。

しばらく作品を観察していると、特徴的な黒づくめファッションの女性が登場。

女性が作品中央に入ると、倒れていた男性が起き上がりました。
どうやら女性は、男性のお仲間のようです。

動画
PXL_20241012_032515726.mp4
ちょうどパフォーマーが入れ替わるタイミングだったようですね。
男性と入れ替わるように女性が床に伏せて、ゆっくりと動かなくなりました。

別アングル。よく見るとパフォーマーの口元にマイクが見えます。

どうやらMESの作品 〈ダイ/DA-I〉は、アーティスト自らが作品の一部となるインスタレーションのようでした。
壁のスクリーンには〈ダイ/DA-I〉から連想される「言葉」が映し出され、パフォーマーはその文字をリアルタイムで読み上げています。
パフォーマーの背中もスクリーンとなり、次々に文字が映し出されます。
映し出される言葉は連動し、音声はBGMと混ざり合い、音と光が心地よい環境音楽のように空間を満たしていました。
挑発的かつ刺激的なインスタレーションで、強制的に「日常から、非日常」へ。
エキシビションの導入として最高の作品でした。

MES / 〈ダイ/DA-I〉2024 -MYAF2024
プロジェクション、サーモグラフィー・カメラ、レーザー、マイク、体
作品ステートメント: MES ダイ/DA-I 2024
MESは、レーザー等のテクノロジーと身体表現とを融合させたインスタレーション、パフォーマンスで知られるアー ティストデュオ。新作《ダイ/DA-I》では「大/代/内/耐/DIE/DYE・・・」と「ダイ」に重なる(言葉の)韻から着想を 得る。《サイ/SA-I》に始まり5作目となる本シリーズは、コロナ禍など作品ごとのタイム/サイト・スペシフィティを、 サーモグラフィーやレーザーのデュアルユースによって、肉眼では感知しえない変化として2人の肉体に曝露する。
MES | https://avex.jp/meetyourart/festival/artist/detail.php?id=667
▶ EXPO’70 OSAKA みどり館アーカイヴ

先へ進むと、『EXPO’70 OSAKA みどり館』のアーカイヴが登場。
ここだけ雰囲気が浮いているというか、古臭いというか。「なぜ、急にEXPO70?」という奇妙な違和感を覚えます。
土方巽のパフォーマンス写真は肉体的で生々しく、不気味な雰囲気を放っています。
そこで今回のエキシビションのテーマを振り返ってみると、タイトルの中に、「Spectrum・連続体」とありました。
表現者の原点として、あえて舞踏の創始者である「土方巽」を提示することで、過去と現在のパフォーマーを連続体としてつなぐ。
みどり館アーカイブの展示は、そんな役割を果たしていたのかも知れません。
肉体から発せられる原始的なエネルギーに、今も昔も変わらぬパワーと、過去へのリスペクト、温故知新を感じました。
EXPO’70 OSAKA みどり館アーカイヴ
1970年の大阪万博で、旧三和銀行(現東京三菱UFJ銀行)を中心とする企業グループが出展したパビリオン。
カラフルな多面体の建物内部には、直径30メートルの巨大ドームスクリーンが設えられ、全天全周映画「アストロラマ」が上映された。アストロラマは天体(アストロ)とドラマ(劇)をあわせた造語。5台のカメラが生み出す全視野映像と超立体音響の技術により、それまでの“見る映画”とは異なる“参加する映画”体験を創り出した。上映作品は「誕生」と「前進」の2篇で、音楽を黛敏郎、脚本を谷川俊太郎が手がけた「誕生」のほうには、舞踏の創始者・土方巽が出演している。さらに同館エントランスホールでは、吉原治良監修による具体美術協会の展覧会も開催された。
最先端の技術と前衛的な芸術表現を掛け合わせた「みどり館」パビリオンは大きな評判を呼び、会期中に600万人近くが来場した。
EXPO’70 OSAKA みどり館アーカイヴ | MEET YOUR ART FESTIVAL 2024「NEW ERA」
https://avex.jp/meetyourart/festival/artist/detail.php?id=1863
▶ 森山未來 《S∧S∧S》 ①
さらに先へ進むと、掲示板のようなボードを発見。
無造作に紙が貼られています。これも作品なのかな?

ボードの左脇には小さな机があり、紙と鉛筆が置かれています。

近づいてみると、なにか貼ってあります。

現在、あなたから見る世界は、どのような思想で動いていると思いますか。
以下の選択肢から選び、それぞれの()内の記号を手元にある紙に鉛筆で記入し、 会場内のどこかにある「箱」に投函してください。
(S)民主主義
(S)社会主義
(S)全体主義
(S) 独裁主義
(S)大衆迎合主義
(S)個人主義
(S)選良主義
(S)その他
森山未來《S∧S∧S》 S and S or S (Means by logical expression) 2024 #MYAF
アンケート参加型?のような作品なのでしょうか。
とにかく紙に答えを書いて、どこかにある「箱」に入れればよいみたいです。
ということで、私のアンサーはこれ。(S)スーパーKAWAII。

近くに箱が見当たらないので、ひとまず紙をポケットにしまい、先へ進みます。
▶ オル太 《超衆芸術 スタンドプレー》他
次に表れたのは、 オル太の大型作品。
《超衆芸術 スタンドプレー》をベースに、複数の作品を雑多に展示しているようです。
なんかデカくてごちゃごちゃしている。

中には椅子があり、座って動画を視聴できるようです。

グルリと配置されたレールが特徴的。

見た目の主張強めです。

オル太 | OLTA
2009年結成。 東京拠点。
《超衆芸術 スタンドプレー》 Hyper Popular Art STAND PLAY
2020 (パフォーマンス初演)
2024 (インスタレーションver.)
ビデオ(プロジェクター、モニター)、ミクストメディア
《Stand Play Surface vol.1》 2019
ポリエステル生地にデジタル・プリントとシルク・スクリーン
《Stand Play Surface vol.2》 2019
ポリエステル生地にデジタル・プリント
《 Stand Play Surface vol.3》2019
ポリエステル生地にデジタル・プリントとシルク・スクリーン
《超衆芸術 スタンドプレー》は、2020年に初演された作品。日常の行動や都市の機能を素材に、笑いや無意識の行動に着目し、都市での共存というテーマを深く掘り下げる。上演空間は新国立競技場を模している。この作品は、日常的 な行動を再演することで、私たちの無意識や社会構造を浮き彫りにし、人間と社会の劇場的な関係性を可視化する。
オル太 | MEET YOUR ART FESTIVAL 2024「NEW ERA」
https://avex.jp/meetyourart/festival/artist/detail.php?id=661
▶風間サチコ《逆算の風景》
会場には、少数ながら平面作品の展示もありました。
大規模な立体作品やインスタレーションが多いと、平面作品が新鮮に感じます。

風間サチコ Sachiko Kazama
《逆算の風景》 Scenes of Estimation 1999
木版画(パネル、和紙、墨)
風間サチコは、独自のリサーチからコミカルでフィクション性の強い木版画を制作するアーティスト。今回の《逆算 の風景》は1999年制作の初期作品。日本の高度成長期に「夢のマイホーム」という言葉に見られるように住宅を建 てることがステータスとされ、結果としてスクラップ・アンド・ビルドという価値観が根付いていった変化を住宅のシルエットと右肩上がりのGDP(国内総生産) グラフを対比して表した木版画作品。
風間サチコ | MEET YOUR ART FESTIVAL 2024「NEW ERA」
https://avex.jp/meetyourart/festival/artist/detail.php?id=681
▶寺田倉庫の窓と光・景色
フロアの奥にたどり着くと、横長の大きな窓が表れました。

しばらく薄暗い倉庫を歩いていたので、窓からの明るい光に思わずハッとします。
横に長くて最高。

窓から眺める天王洲の運河。秋晴れの空が清々しい!走り出したい気分になります。

自然光が優しく会場に差し込みます。エネルギーを感じます。

天気や時刻によって、会場の雰囲気も変化していました。

太陽に雲がかかると、影もぼんやり。

寺田倉庫の窓や光も、まるで作品の一部のようですね。会場の内と外のつながりを感じました。
Part.2へと続きます。
■MYAF 2024 SSSエキシビション概要
MEET YOUR ART FESTIVAL 2024「NEW ERA」天王洲アイル
SSS:Super Spectrum Specification
ススス:スーパー・スペクトラム・スペシフィケーション
意訳:「素晴らしく連続してつながる仕様のエキシビション
「Super」極上の,素晴らしい,並外れた」
「Spectrum」「連続体」あるいは「範囲」
〔通例the ~〕《光学》(光の)スペクトル,分光スペクトル(の全域);《物理学》(電磁波の)スペクトル,電磁スペクトル(の全波長帯域)
「specification」「性能・仕様・仕様諸元」「明細や設計書」
- SSSエキシビション レポート Part.1 天王洲 MYAF2024
- SSSエキシビション レポート Part.2 天王洲 MYAF2024
- SSSエキシビション レポート Part.3 天王洲 MYAF2024
- SSSエキシビション レポート Part.4 天王洲 MYAF2024
- 2 WHAT CAFEで「トークセッション」&「TOKYO ART MARKET」を体験する。天王洲 MYAF2024
- 3 MYAF2024 – アートフェア『MEET YOUR ARTISTS』 レポート。天王洲「B&C HALL」
- MYAF2024 アートフェア-『CROSSOVER』 レポート。天王洲「E HALL」
- 「5 SENSES ボンベイ・サファイア」のブースへGO!オリジナル・カクテル制作を体験する。MYAF2024 天王洲アイル
- MYAF2024 天王洲を夜まで楽しむ。TERRADA ART COMPLEX & 花火大会

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